埼玉県・尺角雑木の家
 


東京都に近接する埼玉県南部の密集住宅地で、武蔵野の雑木材を用いた家が1997年に竣工してから13年経ち、
だいぶいい味わいになってきました。

ムクノキ・カシノキ・クヌギ・ケヤキ・エンジュ・ヤマザクラなど、開発によって切り倒された
広葉樹中心の雑木を集めて構造材として用いた家です。

20種類を超える材にはワトコオイルを塗って拭き取り仕上げましたが、経年変化と住み手の手入れの結果、
室内全体が工芸品家具のような雰囲気を醸し出しています。

19.5坪の敷地に建つ地下1階・地上2階の家は、間口3間半弱、奥行き4間と規模は小さいものの、
6本の尺角(30cm)を同じ断面の梁材でつないだ大断面門型ラーメン構造の丈夫な構成となっています。

材木の長さは全て4mで、広葉樹中心の力をもった素材はその取り扱いに難儀しました。
しかし、細かく砕いてチップにされて紙にされずに木として活かされたこの小住宅は、
切られる前の立ち木の寿命を超えるストックとなるはずです。

むくりの付いた瓦屋根と黄色の漆喰壁とクリ材のベランダは、今も愛らしさと骨太の力強さのオーラを出し続けています。





照りが出た固いムクノキの柱梁と荒木田土塗りの壁



半地下車庫隣の階段を上がって
1階玄関に入る


英彦山神社の鬼杉を用いた玄関ドア


黄土ハンダ塗り壁と
鳥の子紙張り坊主ふすま