東京都・玄関大戸のある家
 愛媛県宇和町にある江戸末期築造のご実家で育ったという建主の要求は、丈夫で長持ちして移築可能な建物であること、というものでした。普段どおりの仕事をすれば、基礎と塗り壁以外は構造材も板材も瓦も建具も移築に対応できることを伝え、2004年に完成しました。

 土佐漆喰と十和田石の鎧壁の外壁、大分県英彦山の鬼スギで作った玄関大戸、そして錆石と鞍馬石を並べたアプローチは、武骨で堂々とした印象を建物に与えています。小扉や無双窓を併せ持つ一間幅の引き戸は、さまざまな生活シーンに対応していますが、先人から引き継いできた木製建具の業と表現の奥深さには改めて驚きます。 




自転車置き場用に一間張り出した屋根





鎌軒瓦・銅製軒樋の玄関庇





小扉と無双窓を開けた状態の大戸






大戸が戸袋の中に引き込まれた状態