川崎市・回り階段の家
 

階段周囲の格子窓と曲面木格子のベランダ

 多摩川の南に位置する古くからの密集市街地の一画に、2006年竣工した若い世代の家です。敷地面積23坪の土地は決して広くはありません。

 4人家族がゆったりと暮せる様にしたいし、日当たりを考えると家の中心の台所まわりは2階になります。
 そこで、小さい間仕切りを止めて空間を広く取ることを最優先に考え、一日に何度も昇り降りする階段を道路側に出すことで、廊下のない凝縮したプランとなりました。最小限の広さの玄関土間を回り階段の下に確保してありますが、一歩上がると長さ2.7mの特注畳が広がります。
 そして、この家のシンボルともなっている樹齢300年の栂の大木を回りながら2階に上ります。格子状の窓からは、隣家の庭木や空が見えて、四季を感じることができます。

 竹小舞土壁漆喰塗りの外壁、厚板使用の化粧軒裏、いぶし銀の日本瓦など、経年変化の優れた素材を用いた木造町屋が準防火地域内で建築可能な時代となりました。自分たちの住む町並み形成に対して、一軒の家づくりから始まる可能性は決して少なくありません。



小屋裏から見た2階広間の堀コタツと囲炉裏


高樹齢の栂に触れながら登る階段



格子窓からは四季の変化が感じられます