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 2007/05/11 加工場での墨掛け刻み作業
■ 現場リポート

東京都三鷹市で、Tさんの住いの建築工事が始まりました。
このコーナーでは、当事務所の仕事の進め方を知っていただくために、工事の工程を進行順に説明していきたいと思います。なお、竣工は2007年10月を予定しています。





構造図面と1/50の縮尺で作った軸組み模型


 4月初旬に構造材が搬入されてから一月たち、加工場では材料の墨付けと刻みの作業が続いています。

 この家の材木は、土台用のクリ材・柱桁用のヒノキ材・梁用のアカマツ材などですが、数百を超える各部材は材の特徴を判断して適材適所に配られた後に、接合部に応じた加工のための墨付けが行われます。

 材料の長さに限度があるために、胴差や桁など長さ方向に伸ばすため、あるいは柱と梁など角度を持たせて取り付く接合部には、力の係り具合に適した接合方法が受け継がれてきました。

 木を扱う大工さんにとって、これらの継ぎ手や仕口を覚えて、実際に墨を付けて刻むための技量を身につけるには、試行錯誤しながら経験を重ねて以外に道はありません。

 安くて早いプレカット工場での部材加工が9割になったと言われる現在のこの国で、手刻みにこだわるのは先人達の残した文化を、未来に引き継ぐための一番確実な方法だと考えるからです。

 100年近い年月を経て我々の元に届いた材木は、当然時間の力を備えた魅力を持ち合わせています。

 木の家に住んで味わうのは人間ですが、それぞれ異なる素材の魅力を引き出して上げられるのも、やはり判断力を持った職人だけでしょう。

 今日も若い大工衆の加工場には、緊張しつつも静かでゆったりとした時間が経過しています。



図面と模型を確認・協議しながら作業を進めます



表面を削りだして仕上げた赤松太鼓梁に墨付けを行います



墨の指示に従って道具を使っての切欠きの工程を続けます



追掛け大栓継ぎの加工が終了した軒桁材