折々の風景




   ~晩秋 紅葉三昧~

 朝夕めっきり冷え込み、霜が降りるようになる11月の下旬は、木々の色づきの変化を楽しめる時期でもあります。東京の紅葉の名所と言えば、高尾山、御岳山、日の出山、奥多摩、御岳渓谷、秋川渓谷、明治神宮外苑、小石川後楽園、六義園、表参道などがありますが、練馬区の石神井公園周辺も隠れた名所の一つ。以前このコーナーでも紹介した三宝寺池、ボート池、日銀グランド周辺は、風致地区に指定されている区民の憩いの場です。当事務所からも、自転車で行けば20分と掛からないので、新緑、花見、紅葉、雪景色など、気分転換に時々出かけます。今年は、一期に寒くなったせいか、はっとするような美しい紅葉の数々に出会いました。落葉樹はどの木も個性的な彩りを見せてくれるものですが、紅葉の定番といえる樹種の写真をお楽しみください。




 イロハモミジ

 関東地方の平野部でもはずれがなく美しい紅葉を見せてくれます。タカオカエデ、イロハカエデとも呼ばれて、庭園にも広く植えられています。葉は5~9つに掌状に分かれ、この裂片を数える時に、「イロハニホヘト」と数えたことに由来するそうです。イギリスでの呼び名は、Japanese Mapleです。
 






 ケヤキ

 道路の並木として各地に植えられ、透けるような新緑と黄緑色から輝く褐色までの秋の彩りが楽しめる武蔵野の代表です。塩水を含んだ台風が通過した年は、葉の状態があまり綺麗とはいえませんが、今年はどこの木もしっかり色づいています。落葉した後の樹形が雄雄しくてまた魅力的です。







 イチョウ

 黄葉する代表の木で、東京都・神奈川県・大阪府が、この木を都道府県の木として指定しているので身近な存在ですね。中国原産ですが、とにかく長寿の木で弘法大師が手植えした木が各地に残るとか? この時期、殻付の銀杏も出回り、目も舌も楽しませてくれますが、落ち葉が燃え難いのが難点です。







 ソメイヨシノ

 春にあれだけ楽しませてくれた日本を代表する木が、もう一頑張りしてご奉公してくれている姿には涙ぐましいものを感じます。一期に散ってしまいますが、赤くなった数少ない葉が黒々した枝にまだ付いている様子を見ると、「また来春頼むよ」とそっと応援したくなります。







 トチノキ

 山村の観光地で、手間を掛けて作られた栃餅を食べられると得した気分になります。縄文時代の人々にとっても大事な食料だったということは、当時の人々も新緑、白く大きな花、褐色の葉と実をいつも身近に感じていたのでしょう。大きな掌状の葉は、天狗の団扇として昔話にもよく登場します。